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組織的経営の必要性(オーナー経営からの脱却)
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公開会社は公開後も一定の利益を確保しつつ、継続して成長して行くことが期待されます。そのためには、事業内容自体に収益性と成長性があることは当然ですが、それらを継続的に実現できるような仕組み(=経営管理組織)を確立することが不可欠です。
しかしながら、一般に非公開会社においては、オーナー経営によるワンマンな経営や、同族や特定のメンバーによる閉鎖的な経営が多く見受けられます。会社の規模が、20〜30名程度の規模であれば、社長が会社全般に目が届き、経営のすべてに関与することは可能です。また、少人数であるがゆえに業務の牽制機能と経営活動の迅速さの双方が達成される体制もあり得ます。
しかし、株式公開企業では、会社の規模が一定規模以上になることが予想され、それに伴って、社長ひとりでの経営は難しくなっていきます。さらに、上場企業としての責任は大きくなるため、個人的能力に過度に依存した体制から、企業規模の拡大に対応できるような組織的な経営体制作りが不可欠となるのです。
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| 2.
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職務分掌と職務権限の明確化
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会社組織の整備は、業務の執行機関としての諸部門の配置を組織図などによって検討することから始まりますが、これと併行して、職務分掌と職務権限を明確にしていくことが、組織整備にあたっての重要なポイントです。
会社の規模が拡大し、従業員数も数十名を超す程度になれば、社長がすべての経営に関与することはもはや困難です。そこで、職務の分掌及び責任と権限を明確にし権限を委譲するなどして、組織的な経営体制の整備が必要となります。そうすることにより、会社のトップマネジメントは日常業務から解放され、会社経営の重要事項の決定に専念することが可能となります。
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| 3.
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組織及び規定の整備 諸規程の種類と範囲
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公開申請時には、以下のような規程のうち会社に適合した規程が実態に即して整備されている必要があります。また、整備された規程に基づいて業務が運用されなければなりません。
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(経営の基本事項を決める規程)
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1)
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定款 注1
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2)
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取締役会規程 注2
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3)
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監査役会規程 注2(商法上の大会社)
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4)
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株式取扱規程 注2
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5)
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常務会規程・諸会議規程(常務会等ある場合)
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(経営組織に関する規程)
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1)
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組織規程(組織図を含む) 注2
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2)
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職務分掌規程 注2
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3)
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職務権限規程 注2
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4)
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稟議規程 注2
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5)
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関係会社管理規程 注2
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(業務に関する規程)
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1)
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経理規程 注2
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2)
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原価計算規程 注2
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3)
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予算管理規程 注2
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4)
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内部監査規程 注2
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5)
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在庫管理規程 注2
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6)
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固定資産管理規程 注2
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7)
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販売管理規程 注2
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8)
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購買管理規程 注2
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9)
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生産管理規程
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10)
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外注管理規程
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(総務・庶務に関する規程)
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1)
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文書管理規程
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2)
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印章管理規程
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3)
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従業員持株会規程
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4)
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規程管理規程
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(人事・労務に関する規程)
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1)
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就業規則 注1(労働基準法)
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2)
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給与規程 注1
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3)
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退職金規程 注2
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4)
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役員退職金規程
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5)
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人事孝課規程
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6)
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出張旅費規程
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7)
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慶弔規程
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8)
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出向規程
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9)
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社宅管理規程
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10)
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社内貸付金規程
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注1:公開準備にかかわらず、株式会社にとって必要な規程
注2:優先的に作成されるべき基本的規程
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| 4.
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組織及び規定の整備 意思決定機構の整備
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組織的経営を行う上で職務分掌に基づく権限委譲や規程類の整備とともに重要なのが会社の意思決定機構の整備、すなわちコーポレートガバナンスの状況です。コーポレートガバナンスについては法定の事項も多いため、法の趣旨に沿った運営が行われているかも公開審査上重要なポイントになります。
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(1)
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株主総会
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株主総会は、いうまでもなく会社の最高意思決定機関として、取締役・監査役の選任、解任、定款の変更、合併・重要な営業の譲渡・譲受け等重要な決議の場です。しかし、非公開会社にあっては、議事録のみを作成しているだけのような例が多く見受けられます。しかし、株式公開の資本政策の過程において第三者割当増資などにより新たな株主が登場すると、このような形式だけの総会では済ますことができなくなります。
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(2)
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取締役会
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取締役会は、商法により取締役の職務の執行を監督し、重要な財産の処分や譲受けその他の重要な業務執行についての意思決定機関として位置付けられています。また、商法上は少なくとも3ヶ月に1回以上の開催が必要とされています。
しかし、株式公開にあたって月次決算制度が整備され予算統制が行われるようになると、取締役会は月次報告の場としても位置付けられるため、月次報告のタイミングに合わせて月一度の開催が必要となります。
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(3)
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常務会・経営会議
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企業規模が大きくなり、非常勤取締役や取締役全体の数が多くなると、招集に手数を要したり、必ずしも取締役全員の出席を要する議題ではないなど、不都合も生じてきます。そこで、法令や内規に定めた事項のみを取締役会の合議決定事項とし、その他の事項については常務会や経営会議に譲る例が多く見受けられます。
常務会や経営会議は、会社の任意の機関ですから、法定機関である取締役会とは性格を異にしていますが、意思決定機関として機能する限り取締役会と変わるところはありません。株式公開にあたっては、組織的な意思決定がなされているかを審査するために、取締役会議事録に加えて議事録の閲覧を求められる場合があります。
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(4)
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監査役又は監査役会
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1)
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商法上の大会社における監査役会
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商法上の大会社(資本金5億円以上又は負債総額200億円以上)においては、監査役を3人以上選任し、かつそのうちの1人は、その就任前5年間会社又はその子会社の取締役又は従業員でなかったこと(社外監査役)が求められています。監査役は互選により常勤監査役を定めます。さらに大会社では、監査役は、監査役の全員で監査役会を組織しなければなりません。すなわち、監査役会という組織により監査役としての機能を果たすことになります。
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2)
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大会社以外における監査役
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商法上の大会社に該当しなければ、監査役を複数定める必要はありませんが、株式公開に際し、直近事業年度にかかる定時株主総会において監査役を複数にしておく必要があります。さらに、1人は常勤監査役でなければ、監査役により取締役の職務の執行を監督するという商法が想定する監査役の機能は果たせないと考えられます。(なお、平成13年の商法改正により、新法が適用開始となる平成17年5月1日以降は、社外監査役の員数は「監査役3人以上のうちの半数以上」となり、社外監査役の定義についても「その就任前に大会社またはその子会社の取締役、執行役、または支配人その他の使用人になったことがない者」となります。)
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| 5.
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稟議等決裁制度
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稟議等決裁制度は、個別案件の意思決定にあたり、職務権限の行使を統制する手段としてわが国で広く採用されています。この制度には、単に統制の手段のみならず、稟議書類などが関連する職場に回付されることから優れた情報伝達手段や意思決定手段としての意義も認められます。
申請書、伺書、決裁申請書などの名称で行う場合やこれらのいくつかと並行的に実施する場合もあります。
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