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株式会社 trippiece 代表取締役CEO 石田 言行 氏 〜平成23年度情報通信ベンチャービジネスプラン発表会 発表企業〜

124x138px 石田 言行氏 

<氏名> 石田 言行氏
<社名> 株式会社 trippiece
<役職> 代表取締役CEO
<設立> 2011年3月
<資本金>
<URL> http://trippiece.com/

trippieceは自分が行きたいと思う旅を投稿し、それに共感した人達と一緒に旅を作り、共感者と共に旅をするサービスを提供するプラットフォームです。

1.初めに

124x161px 石田氏 

第14回(平成23年度)NICT情報通信ベンチャービジネスプラン発表会で発表された“みんなで旅をつくる!”旅のソーシャルWEBサービスを展開している、今注目の学生ベンチャー、株式会社trippiece代表取締役社長CEO石田言行(いしだ いあん)さんにお話しをお聞きしました。「売りたい旅」から「行きたい旅」へ。斬新なアイデアと自由な発想で、新しい旅のスタイルを創造し、世界中をつなげるプラットフォームを生み出しています。

2.【ベンチャースピリッツは、好奇心から】

(石田社長)今から約1年あまり前の2011年3月31日にtrippiece(トリッピース)を創業しました。かなり以前から、起業・Start Upに興味がありましたのでVOYAGE GROUPに学生インターンシップで参加した際に、ちょうど、社内ベンチャーでスマホのアプリを事業化する会社(株式会社ジェネシックス)が立ち上がるタイミングでしたので、その起業に半年ほど関わらせて頂きました。

(聞き手)いつかは起業!と言う明確な目標がある中で、その実現の為に必要なステップをアルバイトやインターンで経験されてこられたのですね。現役の中央大学生として、既に起業を成し遂げた石田さんですが、起業の魅力を早くからご存知だったようです。これまでの事をお聞かせいただけますか?

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3.【ネットに夢中だった中学時代】

(石田社長)中学3年生の頃から、国際情勢に興味があった事と好奇心から、ネットで海外にアクセスできることに夢中になっていました。楽しかったので、ネットビジネスについては独学で色々な事を勉強しました。例えばモバイルのメディアを制作したり、ゲーム情報を掲載するページを作成したり、人が集まり情報交換する場などを作っていました。この活動は、並行して続けていたバドミントンの他に音楽活動を始めたことがきっかけで、1年ほどで辞めました。

(聞き手)中学生で国際情勢に興味を持ち、ネットで海外にアクセスするなど関心を持ったら、とにかく何でもやってみるところが、普通の中学生ではないですね(笑)

(石田社長)バドミントンは中学から始めて高校1年の時に辞めました。父親がバドミントンの全日本クラスの成績で、祖父も全日本チャンピオンだったので、国際大会に出ると海外の人達からは「石田Jr.」と呼ばれる程でした。父親のプレッシャーや、当時自分を超える同学年の選手が周りにいなかった事から、大好きだったバドミントンを辞めましたが、辞めた事を今でも後悔しています。その時以来、「好きな事に嘘はつかない」「好きな事はやり続けなければならない」と思うようになりました。

4.【ライブ運営に興味を持った高校時代】

(石田社長)高校時代は、興味があったバンド活動を始めました。ライブ運営も好きだったので企画プロデュースと出演を兼ねて1年半くらい、好きな事をしていました。運営はライブ会場の場所探しから集客、他校のバンド仲間との引き合わせ等。本来はバンド活動をする為には、お金がかかりますが、お金を掛けずに人集めをプロデュースする事で、活動していました。

(聞き手)集客の為の企画力と実行力が今のお仕事につながっているようです。学祭などのライブ活動を盛り上げる為には数百人単位のお客様を集められたのでしょうか?

(石田社長)はい、月に1回くらいの頻度でやっていましたが、当時はまだWEBでのイベント管理システムが無かったので、他校含めて3校くらい周りのメンバーを巻き込んで好きな事を実現していました。人気のあるバンドをオファーして確実な集客を実現していましたが、「人を集める」と言う意味では今の仕事と似ていますね。プロセスは色々ありましたが最後に「ありがとう」と言われると嬉しいんです。

(聞き手)当時から「幹事」「企画者」キャラクターとして、一貫して興味のある事や好きな事を行うことで経営哲学を身につけてこられたのですね。

180x145px ツアー写真マチュピチュ

5.【NPO法人を立ち上げ、起業につなげた現在・・・大学時代】

(石田社長)2008年に中央大学商学部に入学、大学1年で「世界をひとつに」と言うキーワードの構想のもと、非営利活動法人NPOを友人達と申請し、2010年1月に「うのあんいっち」を発足しました。このNPOを運営していて、trippieceの原型のツアー企画を体験しました。旅に出るのは特別なこと。お金も時間も費やして、行きたいと意思を持って行動するものですよね。当時、何気なく、Twitterで「バングラデシュに行ってみたい」と呟いたことがきっかけで、最終的には18人を集め、HISで10日間のツアー化を実現しました。もともとソーシャルビジネスに興味があって、「グラミン銀行のユヌス氏に会いたい。バングラデシュで、ソーシャルビジネスを学びたい」と言う想いでしたが、共通の想いと目的を持った人が私の呟きに共感して大勢集まって下さいました。最初は、幹事役が大変だろうと気乗りしなかったのですが、想像をはるかに超える楽しい経験となりました。想いは人を結び、それまで出会った事の無い人達と「旅」で出会う事になったのです。「ソーシャルビジネス」について、それぞれの意見の違いや視点の違いに触れ、知ることになりました。その時、これこそが、自分の求めていた事だと気付かされたのです。旅は五感すべてを刺激する空間です。そんな旅での出会いで、想像を超える価値や人をプロデュースしたい!と感じたのです。また他にもイベント等で例えば800人規模を集客して、旅行会社にスポンサーとして協賛して頂いた事など、貴重な経験をしました。そしてNPOを引退する事を決意し、起業へとつながっていきました。

(聞き手)NPO立ち上げと運営、そして旅を通して得られた素直な感動が、今のビジネスへとつながったのですね。trippieceの特徴を教えてください。

(石田社長)みんなで旅を作る!WEBサービスと、既存の旅との一番の違いは、「自分たちで旅を作っている」実感・能動感と「共通の趣味や目的を持った、始めて出会う人たちと旅をする」ことでできる繋がりにあると考えています。
1. 行きたい旅を企画
2. ソーシャルメディア TwitterやFacebookで共有
3. 興味を持った人同志でコミュニケーションを取りながら旅を企画
4. ツアー化⇒オリジナル旅行・体験を企画・共有
trippieceは、「プラン」+「人」のマッチング、「人」+「人」のマッチングの場を提供しています。旅をしたい需要側からニーズを集めて、旅行代理店と調整してツアー化するのが最大の特徴です。私自身は、エンジニアでは無いので「モノづくりの価値観」を理解出来ていなかった部分もあり、CTOはじめ創業メンバーと議論を交わし、技術が構築できる人・デザインできる人などコアメンバー6人でここまで形にしました。

(聞き手)資金面ではSamurai IncubateとMOVIDA JAPAN の2社からこれまで総額約900万円を調達され、更にインタビューから10日後の5月31日にはインターネット広告代理店大手のオプトとの資本事業提携を発表し、数千万円程度の資金調達を行っています。オプトの持つ言語処理技術なども応用して、サービスの利便性を上げると同時に営業強化に弾みをつけています。trippiece のビジネスモデルをお聞かせ頂けますか?

(石田社長)旅行代理店と一緒に企画した旅行パッケージなどを同サイト内で参加者を募り、その成果報酬として旅行代理店からフィーを受け取るしくみです。ツアー全体の約10%程度が収入になりますが、顧客サイドからすると独自性の高い旅の企画を共同で購入することで価格を抑えられ、1人で行かなかった旅にも行けるといったメリットがあります。多くの人は「○○に行ってみたい」「○○がしたい」など、漠然としたニーズを持っていますがそんな人達がターゲットです。2011年8月にサービスを開始して以来、これまでのユーザー数は1万2千人を超えています。これまでに実現したツアーは、40件以上で400人~500人がツアーに参加しています。会社設立から1周年の、2012年11月30日には現在の10倍の4000人のツアー参加者、売上高は8000万円を目標に進めています。現在、日本人の旅行者はビジネス層も入れて年間約1700万人、世界の旅行者は数億人と言われていますが、3年以内の2015年までには年間数百万人、そしていずれは年間で1000万人、100カ国の人をつなげるサイトにしたいと思います。今後はシステム強化をはじめ、スマートフォン向けアプリを秋頃にリリースする予定で来年早々には海外展開も考えています。

180x161px ツアー写真ラフティング

6.ビジョンは「好き」+「隔たりの無い世界を創る」

(石田社長)trippieceのビジョン、「好き」は自分の趣味・嗜好ですが、それらで人がつながり、旅の力で「隔たりの無い世界を創りたい」と考えています。Trip=旅+piece=かけらは、企画のかけらを意味しています。かけらが組み合わされて、より平和な世界になると嬉しいです。曾祖母はアメリカ人で祖父はハーフですが、祖母は広島で被爆し、僕も被爆3世です。中学2年の時に祖母は他界しましたが、祖母の言葉で今も印象に残るものがあります。「人を人として見なさい」と。人を国籍や肌の色や宗教で見ないでその人を見なさいと、その言葉は、すっと入ってきたものの当時はよく理解出来なくて、ずっと心に残っていました。親族の被爆体験を知って、世界の事を深く考えるきっかけにもなりました。様々な国に友達が出来る事でその国が近くなりますし、旅を通して人と人をつなげて行きたいと言う世界観が生まれたように思います。

(聞き手)ひとりで見た感動より、大勢で見た感動の方が大きい!自ら、その価値を体感し、ソーシャルメディアをひとつのフィルターと考え、興味のある人同志をつなげ、良い出会いを創りだす、新時代のICT+平和ビジネスを創出。人をつなぎ、リアルの世界で感動を共有する場を生み出すtrippieceの今後の動きに目が離せません。

180x144px ツアー写真ミクロネシア

7.取材後記

バドミントンでは父親や祖父を超えられなかったので、仕事では超えたい!と語る、石田社長にとって起業は必然だったのかもしれません。言行(イアン)と言う名前は、007の原作者のイアン・フレミングを想起しますが、「ジェームズボンドのような男になれ」と、命名されたそうです。自分に嘘をつかず、有言実行を貫く姿勢に私もとても感銘を受けました。WEBビジネスを通して世界を舞台に羽ばたく石田社長のこれからの活躍が楽しみです。

◆平成23年度情報通信ベンチャービジネスプラン発表会のリンク先
http://www.venture.nict.go.jp/event/node_3774/node_37590/node_37108/node_37431/node_37511

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