トップ > 連載・コラム > 注目のベンチャー紹介 > 株式会社シェアウィズ 代表取締...

pre up

株式会社シェアウィズ 代表取締役 辻川 友紀 氏 ~平成23年度情報通信ベンチャービジネスプラン発表会 発表企業~

124x138px P1000137 辻川氏

<氏名> 辻川 友紀 氏
<社名> 株式会社シェアウィズ
<役職> 代表取締役社長CEO
<設立> 2012年2月
<資本金> 515万円
<URL> http://share-wis.com/

124x138px 門脇氏

<氏名> 門脇 恒平 氏

<役職> 最高技術責任者(CTO)

レクチャー投稿型無料学習サイトShareWis(シェアウィズ)の開発・運営。
本サービスは、将来の不安から学習の必要性を感じている、20~30代の若手社会人をターゲットユーザーとし、彼らの抱える、学んだ価値が見えないために学習が継続できない、という課題を、学習した内容と他の分野のつながり、そして、これから学んでいこうとする分野への方向性を可視化することで解決します。具体的には投稿されたレクチャーがネットワークでつながった知識の地図を使った無料の学習サイトを運営しています。

1.初めに

123x164px 辻川氏

第14回(平成23年度)NICT情報通信ベンチャービジネスプラン発表会、特別賞に輝いた株式会社シェアウィズ、代表取締役社長CEO辻川友紀さんにお話しをお聞きしました。
同社は、辻川CEO、門脇CTOで運営されており、共に現在27歳です。新しいスタイルのまなびのサイト「レクチャー投稿型無料学習サイトShareWis(シェアウィズ)」を立ち上げ、開発・提供しています。

2.【起業の原点は「考えることが好き」】

(辻川氏)自分のアイデアをビジネスとして形にするためにベンチャーキャンプに参加しました。参加した理由は「メンター」がついてビジネスプランを一緒にブラッシュアップしてくれるところに魅力を感じたからです。当時は自分のアイデア「知識の地図」に関して、言葉で人にうまく説明できずに苦労しました。私の中でもイメージをきちんと言語化できていない部分があったので、事業を人に伝える点が困難でした。ただ、どんなことをやろうしているのかが伝わった後には、多くの人が興味をもって協力していただけることが多かったです。「日本は起業に冷たい」とよく言いますけど、私の場合そう思ったことは一度もないです。
起業に至る前ですが、30歳までに起業しようと決めていました。「考えるのが好き」なので、考える機会がたくさんある仕事に就きたい、また国際的な経験を積もうと思い、大学院卒業後、P&Gに入社しました。

(聞き手)アイデアを事業化する為に、いつまでに実現するか目標を立てて行動する力は、経営者として重要な資質だと感じますが、着実にそのステップを歩んでこられたのですね。「グローバル企業」である事と、「考える仕事」の2点が重要なポイントだったとの事ですが、英語でのコミュニケーションに抵抗は無かったのでしょうか?

(辻川氏)いえ、英語は面接ではじめて使うと言う状況でしたが、海外の人達と一緒に仕事をする事が出来てとても貴重な経験が出来たと思います。ただ、日本語でのミーティングは月に数回しかなくて、その時はとても嬉しかったです。(笑)

(聞き手)約2年間のP&G在籍期間中、学んだことはどのような事だったのでしょう?

(辻川氏)国籍が違う人達と一緒に仕事を進めていく事でしょうか。文化の違いを日々感じていました。仕事の進め方やスケジュールに対する感覚などが、それぞれの国、それぞれの人で全く違うので驚くことばかりでした。そんな違いを超えてみんなとうまくプロジェクトを進めることが最も勉強になりました。

135x72px ロゴ

3.【常に大局を捉える】

(聞き手)文化や慣習の違う多国籍の方々と仕事をスムーズに進める為にはどのような事に気をつけられましたか?

(辻川氏)例えば英語については、文法の正しさにとらわれず、伝える勢いが大切だと気付いた時から、壁を乗り越えられたように感じます。ミーティング中(他地点からの電話会議)には、必ず1回は質問しようと決めていました。私はアジア全域(ASEAN、中国、韓国、日本、オーストラリア、インド)における、複数の化粧品のブランドの製品安全性および規制を統括するカテゴリーマネージャーを担当していました。当時は、扱う国と製品がたくさんあって、とにかく個別の国の動きだけにとらわれず、全体を見ないといけないと常に思っていました。その為には状況を図や表にして、視覚的にまとめる事がとても重要でした。製品・国・そこでどんなことが起こっているか等、時系列に全体俯瞰する事は当時の仕事でとても役立ちました。

(聞き手)貴重な経験を積まれたのですね。P&Gで!物事を大局的にとらえる成功体験は、現在のお仕事のアイデアにもつながっているのかもしれませんね。そして、起業へとつながったのですか?

(辻川氏)はい、入社2年目で海外転勤の話があったのですが、経験を積んで会社を起こすとなると30歳を超えてしまう事、そしてShareWisのアイデアの元のようなものが頭にあって、どうしてもやってみたかったのでエイヤと起業することにしました。

4.【人を巻き込む力】

170x155px 作業風景

(聞き手)起業されたのはいつのことだったのですか?

(辻川氏)前職を2011年6月末に退職して、株式会社シェアウィズを起業したのが2012年2月2日のことです。

(聞き手)前職を辞められてから起業されるまでの約半年余りは、どんなお気持ちでしたか?

(辻川氏)色々な人に会ってアイデアをブラッシュアップしながら、一緒に事業を進めていく仲間を探す準備期間でした。門脇氏との出会いは、とても重要な出来事でした。僕の高校の友人であり、かつ門脇氏の大学の友人、という共通の友人を介して出会ったのですが、彼との出会いがなければ、今のShareWisは存在していなかったと思うので本当にターニングポイントだったと思います。

(門脇氏)辻川氏のアイデアを始めて聞いた時、作り手として「面白そう」「作り甲斐がありそう」「エンジニア業界でも、この地図のアイデアが具現化したら、使いたいと思う人が大勢いるだろうし、自分も使いたい・・・」と共感して、気がついたら辻川氏と一緒に仕事をしていました(笑)。ShareWisのオリジナリティは、ずはり「地図」です。サイトをご覧頂いた方々から「これは新しい!」と、おっしゃって頂けると、とても嬉しいですし、現在も日々、もっと良いものを作ろうと改善を繰り返しています。

(聞き手)お二人の出会いは、まるで運命の糸でつながっていたかのようですね。辻川社長のアイデアを、要求通りシステムとして作る上げることができたのは、門脇CTOのエンジニアとしてのお力があったからだと思いますし、ビジネスを立ち上げる為には、たくさんの才能ある人との出会いや、共感する仲間がいる事が、とても重要なファクターなのかもしれませんね。辻川社長のアイデアや思いが、門脇CTOによって、まるで手品のように形になっていくのは、本当に頼もしいですね。人を巻き込む力をどのようにお考えですか?

(辻川氏)仕事を、「面白がる」ことが大事だと考えています。自分が面白くなければ続けられませんし、周りの人達も面白くないと思うのです。面白がる事は、周りの人を巻き込む力にもつながると考えています。東京にも現在、サポーターのメンバーが4人います。彼らは、現在は仕事をしながらShareWisをサポートしてくれています。また、「知識の地図」に欠かせない、コンテンツを提供して下さる人達との出会いも大切です。今後、エンジニアとデザイナーは良い方をどんどん採用したいと考えています。

(聞き手)辻川社長の、未来を見通す力が多くの才能ある人達を惹きつけるきっかけにつながっているのですね。

133x150px シェアウィズロゴステッカー

5.【自分に言い訳しない目標を立てる】

(聞き手)ところで30歳起業にこだわった理由について教えてください。

(辻川氏)自分の人生の区切りを明確につける事で、自分自身に言い訳を作りたくなかったのです。いつまでに何をすると言う事を決める事が大事だと思っています。ですので、30歳というのも区切りという以外に明確な理由はありません。ただ、大きな決断をするためには、そういった絶対に動かせない区切りを人生のどこかに設けることが必要だと思っています。

(聞き手)アイデアの卵は、どのようなものだったのでしょうか?

(辻川氏)前職ではアジアの状況をUSやヨーロッパのチームに伝える仕事が多かったのですが、英語は大変でしたし、アジアの状況と言われても分からないことだらけでした。それでも少しずつ新しいことを学習して、それをチームの人々に伝えていく事で、グローバルの規模で大きくビジネスが動いていく様子を肌で感じることができました。そのとき、些細な知識であっても、それを伝えることができれば世界は動くんだ!と実感する事ができました。そういった経験が、些細な知識を、「短いレクチャーという形で投稿できるサイト」につながったのだと思います。ただ、それだけだとちっぽけな知識のままなので、うまくそれらをまとめあげる仕組みが必要だと思い、「知識の地図」に至ったという経緯があります。
前職を辞めた直後に、2012年4月までにサービスをリリースする、という締め切りを決めました。3月20日に招待制β版、5月31日にはShareWis β版を一般公開しました。 http://share-wis.com/

(聞き手)期限を決めて、着実に有言実行されて、ついに新しい学習スタイル、ShareWisを、オープンされたのですね。おめでとうございます!

205x178px  インタビュー風景

6.サービスの特徴

(辻川氏)ShareWisは「学びたいけど、続かない」そんな悩みをかかえた社会人をターゲットにした無料の学習サイトです。5分~30分で完結する、レクチャーと呼ばれる短い学習コンテンツを気軽にサクサク学習することができます。レクチャーは「知識の地図」と呼ばれる地図のような画面上に配置されます。これにより、知識と知識のつながりが可視化されます。学習者は、自分の学んだレクチャーを「知識の地図」の上に記録していくことで、自分が全体のどこを学んだのか、そして、今後どのような内容に発展していくのかを目で見ながら、継続的に学習を進めることができます。
レクチャーは、現在は私たちが準備していますが、投稿制にする予定です。分野を問わず投稿できるので、知識の地図が広がっていき、様々な分野を横断的に学習することができます。
ShareWisは、学習する人が自分の学習の歩みを目で見ることができ、未来へ向かって前に進んでいく希望を感じられるような学習コンテンツのプラットフォームを目指しています。

(聞き手)まさに、新たな「まなびスタイル」の確立ですね!全体俯瞰してまなびの方向を見える化できる仕組みは、辻川社長の個性とオリジナリティがそのまま体現されているようです。自分の学びの価値が確認でき、成長が目に見えれば誰でも嬉しいものですよね。物事を大局的に未来志向で捉え、繊細に思考される辻川社長は、経営者として起業家として、これからの世の中をリードしていくのではないかと実感します。ShareWis、社名の由来を教えていただけますか?

(辻川氏)ShareWisとは、Share With+Wisdom 共有する+知恵の造語です。みんなの知識を分かちあうことで、知識の地図を作り上げようという思いが込められています。

7.レクチャー投稿型無料学習サイトShareWisだから出来ること

(辻川氏)検索ならGoogle、SNSならFacebookというような感じで、学習ならShareWisだね、と世界中の人から言ってもらえるように、ShareWisを多くの人に利用してもらいたいです。「知識の地図」で自分の学習の歩みを見ることや他の人の学習状況を知ることで、多くの人が少しでも自分の将来に希望をもてるような、そんな状況を作り出したいです。
また、パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンにも年内には対応させる予定です。
具体的な目標は、初年度は来年(2013年)5月までに17万人の利用者を見込んでおり、2年で100万ユーザーを目標としています。同時にShareWisを社内研修や塾の運営に利用を可能にするために、クローズド版を販売する計画も進行中です。

8.支援者紹介

ベンチャー企業を支援している大阪商工会議所 経済産業部産業・技術・水ビジネス振興担当 課長 松本 敬介氏にベンチャー支援の胸の内をお聞きしました。

124x166px 松本氏

(聞き手)どのような支援をされているのでしょうか?

(松本氏)これから起業しようとする「スタートアップ」の方から起業したての「アーリーステージ」、成長途中の「ミドルステージ」、株式新規上場(IPO)が見えてきた「レイターステージ」のいずれの方々にもご利用頂けるような支援メニューを揃えて側面的なバックアップをしています。資金調達、知名度向上、新規顧客開拓などにお役に立てるかと思います。

(聞き手)ベンチャー支援で特にご苦労される点は何ですか?

(松本氏)独自の技術を持つベンチャー企業に多くみられるのですが、技術の追求に徹するあまり、「ビジネス」としての在り方を忘れられる人がいます。そう言った人を説得し、理解してもらう時はさすがに苦労します。

(聞き手)ベンチャーの成功要因は何だと思いますか?

(松本氏)上にも書きましたが、ご自身のビジネスプラン、技術に固執することなく、時代の流れや社会のニーズにあわせられる「フレキシブル性」を持つことだと思います。あとは、基本的なことですが、「ヤル気」が一番ですかねえ。

(聞き手)ベンチャーにとって必要な支援施策は何でしょうか? また、その支援策を導入するためには、何が必要とお考えですか?

(松本氏)必要なパートナー、適度な資金をそれぞれ、タイムリーに提供する仕掛けが必要だと思います。
そのために、出来るだけ多くの「出会い」の場を提供することが必要と思っています。

(聞き手)今のお仕事について、日々どのようなお考えをお持ちですか?

(松本氏)非常にやりがいがあると思っています。なかなか「成功」するまでは時間と体力が必要ですが、「××会社と取引始まりました!」などの声を聞くと、とても嬉しくなります。

(聞き手)
ベンチャー支援に当たっての想いをお聞かせ下さい。

(松本氏)ベンチャー企業によって、課題は千差万別。それを的確に把握して、効果的な支援策を提供できるような「眼」を今後も養っていきたいと思います。
商工会議所として、出来るだけ多くの出会いを提供できるよう、様々なプログラムを用意しておりますので、とにかく、まずは何でも気楽にご相談下さい。ひょんなことがきっかけとなって成功への道を歩まれた方もたくさんいますので。

(聞き手)株式会社シェアウィズに対する応援メッセージを一言お願いします。

(松本氏)真面目さとヤル気は「成功するベンチャー企業」の類に属していると思いますので、積極的に攻勢をかけていって下さい。

松本 敬介氏 略歴
◆職歴
1990年3月 大阪外国語大学(現大阪大学)外国語学部中国語学科卒業
1990年4月 大阪商工会議所入所 国際部国際担当へ配属
1995年4月 上海日本商工クラブ事務局次長として2年間駐在
2003年4月 バンコク日本人商工会議所事務局長として4年間駐
2007年5月 経済産業部ベンチャー振興担当、翌年4月 同課長
2012年4月 経済産業部産業・技術・水ビジネス振興担当 課長 現在に至る

◆主な職務経験
○在外日本人商工会議所等の事務局運営
(1995年~ 上海日本商工クラブ、 2003年~ バンコク日本人商工会議所)
○大規模国際商談会(G-BOC)、海外投資、国際ビジネスマン養成講座等の各種セミナー・講座の企画・実施
○食料部会、情報通信部会、ベンチャー振興等の各種委員会管理・運営
○ベンチャー支援ファンド「桟ファンド」、個人投資家とベンチャー企業とを結ぶ「桟ネット」運営
○国内外ベンチャー企業間のマッチング事業「グローバル・ベンチャー・フォーラム(GVF)」の実施
○ベンチャー企業支援事業の実施

9.取材後記

素敵な笑顔で、柔らかな語り口でインタビューにお答えいただいたのですが、柔和な表情とは違って、力強く信念を持って、着実に事業化を進める辻川社長には、自然と応援したいと周りの人たちに思わせる魅力があるようです。どのような環境下でも、面白がりつつ、信念を持って対応していく芯の強さ、大局を捉える力は、ICTを活用した新しい「まなび」のビジネスで多くの人を巻き込み、世の中を変えていくのではないかと期待します。

170x155px 支援者一同

後列左より 総務省 近畿総合通信局 岩田 邦弘氏、中居 修吾氏、大阪商工会議所 松本 敬介氏
前列左より 株式会社シェアウィズ 門脇 恒平 氏、 辻川 友紀 氏

10.参考

レクチャー投稿型無料学習サイトShareWis (シェアウィズ)
レクチャー投稿型無料学習サイトShareWis(シェアウィズ)を運営し、知識の地図を使った全く新しい学習体験を、ターゲットユーザーである、学ぶ意欲はあるが、何を学べばいいかが見えていない社会人に提供します。
本サービスでは、投稿者が自分がもっている知識を、動画、テキスト、演習問題といったシンプルなレクチャー形式で投稿し、各レクチャーは知識の地図の上に配置されます。
閲覧者は知識の地図を通して、何から学び始め、次に何を学べばいいかを理解しながら、レクチャーを体系的に、かつ無料で学習することができます。
収益は、主として広告収入、その他に、LMS販売、有料レクチャー、人材紹介から発生します。

◆平成23年度情報通信ベンチャービジネスプラン発表会のリンク先
http://www.venture.nict.go.jp/event/node_3774/node_37590/node_37108/node_37431/node_37511

pre up